のんべんだらり

観に行ったのとか観たのを書く。

GHOST

8/15最後追記した。

いつもにましてまとまりがない。

えーと、一度しか観ないので全体的に話を楽しもうと思っていたのだけれど、結果してフツーにみて気持ちをいれるところじゃないところをみてしまったというか、この話のヒール役になるカールに心を寄せてみてしまいました。
という訳で、感想がおかしい。とおもう。

もともと恋愛モノがあまり刺さらないので、恋愛モノとしての見方をしなかった。ので、愛の深さとか絆みたいなものは感じなかった。
でも、目に見えないものを信じられること、信じることの奇跡というかなんというか、実際いなかったとしても居ると信じる心が大切なのかなと。
男女だけでなく、突然大事な人を失ったらどうなるか。
その相手が見えなくても近くにいると感じるだけでどんだけ心強いか。
それが感動というよりは、喜び。いや歓び?というかんじで感じられました。

セットがシンプルだけど豪華でキレイ。舞台いっぱいを動いてて、同じセットをつかってるのにCGとかでもなく光の力だけでエレベーターにも地下鉄にも見えるのがすごいなーとおもいました。

サムが死んじゃうところは、サム(浦井さん)をおっかけていたらいつの間にか精神と体が分離していて、あっ!いつのまに!と思った。うまい。
サムもウィリーもカールも死んだあとの精神の姿はやや白(青)っぽいライトになるだけだけど、ちゃんとわかる。

あとはー、悪いことしたウィリーとカールは死んだあと、闇に引きずり込まれるんですが、
黒い布を使うことで比喩ではなく闇に引きずり込まれるって描写がなんとなくよりリアルにみえました。
二人ともサムの前でつれていかれたけど 、ウィリーは地面を手でつかむようにつれてかれるところがこの世に未練があるけど引きずり込まれてってるって感じして
カールはサムに助けを求めて手を伸ばし続けたままつれていかれたので
カールは生よりもサムの許しを求めたのかなーとか。おもったりした。


オダメイさんである森クミさんはサイコーでした。
歌いだしたとき、体がゾワ~!となりました。
あ、霊媒助手?のふたりもとても歌うまくてよかった!
あとちょいちょい失敗だったりなんだりをネタにぶっこんできて面白かったです。

サム(浦井さん)は霊体になってからがよかったな。カールを家にいれちゃダメだ!とか、ウィリーがいるから部屋に戻ってきちゃだめだ!とかモリーにたたみかけるように訴え掛けるのとか(聞こえてないけど)
聞こえないからじたんだふんだりしててよかったし
オダメイとのやり取りとかかわいかった。


あとはもうカールしかみてないといってもいい。

なぜカールは大金が必要だったのかはわからんちんです。取引の相手が悪かったみたいだから、最終的にその人に金を入れるのが目的のようでしたけど。

というわけで、その取引相手?に金を渡すことが大金が必要って目的なら、それをすることによって何かを得られたのか、何かを許されたのか、金ではない目的があったのかな。とか考えてみました。
カールをただの悪者として観たくない私は。
てことで。

ウィリー(サム殺した犯人)にお前の情報全部漏れてんぞ!誰に話した!と怒鳴りこんでくるカールは、怒鳴り方が自然というか、まあ怒鳴るのに自然もなにもないんだけど、なんていうか声の荒げかたがわざとらしくない感じで、違和感を感じなかった。怒ってる演技っぽくないというか。

実際の身長だけではないんですけど、心の余裕度からみても、殺せとはいってないと言い寄ったり、サムの家の鍵返せっていったあとに床にぽいってされた鍵を目で追うときとか、それを拾うのとかとても小さく見えた。

一幕の最後にサム、モリー、カールがそれぞれの心を歌ってましたが、カールは違うんだこんなつもりじゃ。みたいな歌詞が多くて、つらそうに両手で額辺りに手を当てて悩んでる様とかが観ていて哀しいなとおもいました。

入金の時間が迫って、サムによる心霊現象に「ナンなんだよ!」とかビビりなからイライラしてるのとか、もうあとに引けなくなってモリーの家に乱入してくるところの口調のかわりようとか良かったなー。
頼むから邪魔しないでくれよ、アクセスコードだけあればそれでいいのに。なんでお前ら邪魔すんだよ。。。!ってな感じで額押さえたりする感じね。
なんでなんでなんでなんで。。。なんでうまくいかない!ってなってる感じ。

追い詰められちゃってイカれちゃったかな?それともうまく行かない自分への嘲りかな?というような笑い声のあとに、オダメイを見つけて「お前誰だ?」って一瞬真声(真顔で真声)で言うのとか。

あ、余談ですけどこのシーンのジャケットぬいでベスト姿の壮ちゃんがとてもステキでした。
ベストでうでまくり。サイコー。

結局死んだあともサムに違うんだと何度も言うし、闇に引きずり込まれる最後までサムに助けを求める弱さと、サムならこんな自分でも許して助けてくれるかもしれないと思ってるカールが憐れで哀しすぎる~😞でした。
そんなカールを助けようと手をのばすサムの気持ちも、
こいつも可哀想なやつだなという憐れみなのか、親友への哀れみなのか複雑。


この話、カールを中心に観ると、人って闇に落ちやすく、闇に落ちると戻ってこれず、さらに転げ落ちやすいもんだよねってのがよくわかる。
ちょい調子にのって悪いことして、失敗するとそれを隠そうとまた悪いことしちゃうみたいな。

最初のほうはサムとカールで毎日の仕事の大変さにエレベーターで憂さ晴らししてみたりして仲良さげだったのにね。
サムとモリーがイチャイチャしてるのもとても優しくみてたので、たぶんカールはサムもモリーも好きだったんだろーな。
で、サムの死語にモリーに近づくのはサムの好きだったモリーだけは護ろうとおもったのかな。意図せずだけどサム殺しちゃったから。
モリーを愛してるというよりは。
まあそうなると、わざとコーヒーこぼして服脱いだのところは悪意ありげなんだけど。

なにを書いてるのかわからなくなってきた。
考えなしにかいてるから。


とりあえず!

私にとって今回のGHOSTの主人公はカール(平間くん)。

何も考えないで本来の主人公寄りでみれば
カールにはこのストーリーにおけるバックボーンがないので
主人公のいい友達(同僚)だったのに裏切られてころされて恋人まで奪われそうになった相手
でしかないんですけど

そこを自分なりに作って芝居に挑むと言っていたので
こちらもそのつもりでカールが大金を必要とした理由なんかを自分なりにつくって観たりして。
その結果カールは「ただの悪人」にはならなかった。<私の中で
ただやってる行為は悪いことなので,悪は悪なんだけど。
悪だった人というよりは悪に堕ちちゃった人。悪に連れてかれちゃった人?

何か後ろめたいことをしちゃって,それがバレそうになってウソの上塗りをしてなんとかやりすごしたい。
って思ったこと,すごい小さいことだったとしてもありがちだとおもうんだよな。
私はある。
だからきっかけや後に引けないところも理解できなくはない。
まぁカールの場合後ろめたいことの規模がデカすぎるんだけど。


何の前情報もなく,平間くんの心づもりも知らず,昔見た映画のミュージカルだ。
という状態で観ていたらカールはただの悪人にみえたかな?どうだろう。

フツーにこの俳優が推しです!というわけではなく観た方は
どういう印象を受けたのかなー。

人は見方によっては善にも悪にもなりますねー。
(いやカールは悪だけど同情はできるって意味でね。)


そんなこんなでまとまらないまま終わりにする。

また再演してくれたらいいな。
命をあつかった作品として、こんどは東北でも。



[8/15追記]
友達に感想を話していてふとおもいましたが、
サムたちの部屋を出ていったあと、アパートの外から二人のいる部屋を見上げて名残惜しそうに後ろ歩きしたりしてたけど、あれってあの部屋に行くときだいたいそうだった
訪問するときも見てたけど、あの部屋から帰るときはいつも振り返ってた気がする。
部屋の中ではストーリーが進んでるからライトはあたってないのだけれど。
そうおもうと、カールがサムたちをそこまで好いている理由がまたわからなくなるなあ。
サムとカールは単なる仲のいい職場の同僚ってわけではなくて、学生の頃からの腐れ縁で
サムとモリーの出会いやサムがモリーに惚れて付き合うまでとか全部見守ってて、だから二人が付き合えてうれしいしこれからも見守りたいと思っていた。と考えれば納得いくかな(自分が)

サムのコードつかってたのもサムへの甘え(アクセスコード聞き取りやすかったのかもだけと、それだとカールに嫌な計画性がでて嫌なので考えない)

モリーに近づくのも、モリー好きだからってのもあるけど、自分だって予期せず親友を失ったわけなので自分もモリーに甘えたい、護られたい、慰められたい。
君と僕は同じだ。お互いになぐさめあおうと思っていたかもしれない。
同じじゃないんだけどね。



【演出】ダレン・ヤップ
【出演】浦井健治、咲妃みゆ/秋元才加、平間壮一、森公美子